9月11日: あれから１年

米国国務省電子ジャーナル特別号 2002年９月

　米国民は、「われわれは、どうしたらいいのか」と問うている。私は皆さんに、自分の人生を生き、子どもたちを抱き締めてやることをお願いしたい。国民の多くが恐怖を感じていることは承知しているが、脅威が継続したとしても、平静で確固とした態度を保っていただきたい。

　米国の価値観を支持し、なぜこれほど多くの人々がこの国に来たのかを忘れないでいただきたい。われわれは、われわれの原則のために戦っているのであり、その原則に従って生きることがわれわれの第１の義務である。何びとたりとも民族的背景や信仰を理由に不公平な扱いを受けたり、心ない言葉を投げつけられたりすることがあってはならない。

　この悲劇の犠牲者たちを支援するための寄付を継続するようお願いする。…

　保安、警備強化による遅れや不便、そしてこれからの長い戦いを辛抱していただきたい。

　また、米国経済への関与と信頼を継続していただきたい。テロリストらは、米国の繁栄の象徴を攻撃した。しかし、その源泉に手をつけることはできなかった。米国の成功の理由は、国民の勤勉と創造性と進取の気性である。これらが、９月11日以前は米国経済の真の強さであったし、こんにちもわれわれの強さである。

 ジョージ・Ｗ・ブッシュ大統領 米国連邦議会上下両院合同会議における演説
 2001年９月20日

　この１年間、米国民は大統領の指令に応え、さまざまな方法で決意を示し、価値観を表してきた。本電子ジャーナルでは、米国史上有数の悲劇であり挑戦であり結束を固めさせる出来事であった9月11日の事件に対する米国民の反応について検討する。 

編集部

表紙デザイン＝同時多発テロからちょうど６カ月後、ニューヨークの世界貿易センタービル跡地から空に向けられた２本の光線　(AP Wide World Photo/Daniel Hulshizer)

目 次

米国の戦略思考の新時代
同時多発テロは、国際安全保障環境を変容させ、米国の新たな「重要戦略」を決定させた。 ロバート・Ｊ・リーバー、ジョージタウン大学外交学部教授

テロリズムの経済的コスト
アルカイダは、資本主義に基づく民主主義の諸制度を攻撃しようとしたが失敗した。 ブライアン・Ｓ・ウェズベリー、グリフィン・キュービック・スティーブンス・アンド・トンプソン社チーフ・エコノミスト

希望はテロへの答え
長年にわたり、貧困はテロの温床を生むと信じられてきたが、同時多発テロはこの確信を改めて裏付けた。政府、民間、および企業の援助提供者は、世界の最も貧しい人々に希望と機会をもたらす活動を新たに活性化させている。 ジョージ・カーペンター、プロクター・アンド・ギャンブル社の持続可能な開発担当ディレクター、およびロバート・Ｋ・ペラント博士、非営利組織ハイファー・インターナショナルのアジア・南太平洋プログラム担当ディレクターのインタビュー

極めて重要な均衡--不確実の時代における個人の権利と国家安全保障
米国政府がテロとの戦いを実行する中、憲法上の諸問題を巡って、全国的に論争が起きている。 マーク・ブリッツ、クレアモント・マッケナ・カレッジ、フレッチャー・ジョーンズ政治哲学教授

ペンタゴンの復活と再生
米国の軍事力の象徴であるペンタゴン（国防総省ビル）をテロが襲った。しかし、大規模な再建・修復活動により、3000人の職員が１年以内に元のオフィスに戻ることができた。 ジャクリン・Ｓ・ポース

愛国者の前進--９月11日と米国における自由
定評のある評論家が、波乱に満ちた１年を通じた米国の感情の推移をたどる。 ロジャー・ローゼンブラット、ロングアイランド大学サウスハンプトン校英文科教授、タイム誌エッセイスト

追加資料

2001年９月11日から現在までの主要な出来事
編纂--米国国務省国際情報プログラム局

アフガニスタンの復興
米国国際開発庁の報告書から抜粋

参考文献（英文）
９月11日の同時多発テロ、テロリズム、および国際社会の反応に関する書籍、文書、論文、記事

インターネット・サイト（英文）
９月11日の同時多発テロ、テロリズム、および国際社会の反応について、さらに詳しい情報を掲載したインターネット・サイト一覧

September 11 One Year Later
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