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「日米で対テロ防衛態勢を」

以下は、2001年9月19日付読売新聞朝刊に掲載されたベーカー大使のメッセージを、読売新聞社の許可を得て掲載したものです

駐日米国大使 ハワード・H・ベーカー

 私は、今月初め、サンフランシスコで行われた、日米の友好と同盟の50周年を記念する式典に出席しました。日米両国が共に、互いの敵意を乗り越え、緊密で建設的な友好関係をかくも迅速にまた包括的に作り上げてきたことは、平和の証として他に類を見ないものです。数多くの両国民の友情に深く根差したこの同盟は、日米のみならず他の諸国の平和と安全の基盤となっています。私が日本に着任してすぐに理解したのは、日米のパートナーシップをうまく機能させるには、何が国益であるかについて抽象的な議論をすることではなく、より基本的なこと、すなわち、わたしたちが相手を心から好きであるということです。それは、極めて簡単なことです。わたしたちは真の友人なのです。

 わたしたちは今、友人として共に深い悲しみに耐えています。残虐なテロ行為で尊い命を奪われた数千人もの犠牲者を悼んでいます。私は、テロ攻撃の犠牲となった日本の方々、そしてその家族や友人の皆様に深くお見舞い申し上げます。飛行機の爆発によるすさまじい炎は、わたしたちがいかにぜい弱であるかを見せつけました。しかし、今回の事件は同時に人間の精神が強じんなものであることも示しました。ブッシュ大統領は、「テロは巨大なビルを揺るがすことはできても、米国の基盤を揺るがすことはできない。鋼鉄を破壊することはできても、米国の決意を曲げることはできない」と述べました。世界中から次々に寄せられる励ましや支援に、わたしたちの心は強く動かされました。

 この悲劇的なニュースが伝わるやいなや、数多くの日本国民の皆様が大使館や領事館を訪れ、ある人は花束を持参し、ある人は悲しみと哀悼のメッセージを寄せました。大使館前に並べられた花束の数は、毎日増え続けています。連帯の精神に駆られた多くの方々が、メッセージを記帳することで悲しみを共有しています。中には、幼い子供を同伴した若い夫婦もいました。小泉総理大臣を始めとする日本政府高官の方々からも、哀悼と支援のメッセージをいただきました。テロによって家族を失ったアメリカの子供たちのために、お菓子やがん具を手向けて下さった方もありました。また、ひとつひとつに「平和」の文字が書かれた千羽鶴も届けられました。日本国民の皆様からの友情と支援がこのように自発的な形で表されたことを、わたしたちは忘れません。米国民を代表して感謝申し上げます。

 小泉総理と日本政府は積極的に米国を支援しており、米国はこうした断固たる対応に深く感謝しています。残虐なテロとの戦いは、長期にわたる大規模なものになることを覚悟しなければなりません。こうした戦いには多くの側面があり、米国は、どう取り組んでいくべきかについて、日本の意見に耳を傾けるとともに、共通の脅威から身を守るために協力していくことを希望しています。わたしたちは、このようなテロの再発を防ぎ、犯罪者を裁かなくてはなりません。

 テロは、人類に対する共通の脅威です。世界で最も繁栄した経済を持ち、東アジアの安定を支える同盟国であり緊密な友人でもある日米両国は、自国民だけでなく、世界中の人々の平和と繁栄を守るための環境を確保していきます。疾病との戦い、平和と経済発展の推進、知識の普及というこれまでの2国間の取り組みに、テロに対峙する防衛態勢を構築するという新たな課題が加わります。第2次大戦後の友好関係を維持していくに当たり、日米両国が示してきた回復力と特性は、今後の課題に取り組む上でも有効なものです。日米が協力し、この戦いに勝利を収めることを確信しています。

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