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北米概観

カナダのジャン・クレティエン首相とジョージ・W・ブッシュ大統領は、2001年9月24日、ホワイトハウスにおける会談で米国に対するテロ攻撃について話し合った
カナダのジャン・クレティエン首相(左)とジョージ・W・ブッシュ大統領は、2001年9月24日、ホワイトハウスにおける会談で米国に対するテロ攻撃について話し合った

 「カナダ国民は、9月11日の攻撃は米国で起きたとはいえ、米国だけを標的としたものではないことを十分に理解している」

2001年9月21日、カナダ外相ジョン・マンリー

カナダ

 9月11日のテロ攻撃の直後、米国の領空が閉鎖され、米国を目的地とする多くの民間航空機が進路変更を余儀なくされた。カナダはそれら航空機の大部分を受け入れるという非常に有益な役割を果たし、また、足止めされていた乗客すべてに援助の手を差し伸べた。米国その他のマスコミは、米国の民間航空機4機を墜落させた19人のハイジャック犯の一部が、カナダ経由で米国に入国したと誤って伝えたが、その後の調査により、そうした報道が誤りであることが判明した。

 カナダとの反テロ協力体制は、全体として非常にうまく機能しており、米国が他国とどのように協力してテロ問題に取り組むことができるかを示すひとつの模範となっている。両国の関係を端的に示す例が、「対テロ協力に関する米加諮問グループ」(BCG)である。BCGは年に1度開催され、国際テロの傾向を検討し、対テロ協力強化のための計画を策定している。BCGの小委員会は、特定のプロジェクトや訓練の実施を目的に頻繁に開かれている。1988年に設立されたBCGは、長年にわたる米加相互協力の歴史を基盤とし、法執行や移民問題に取り組むさまざまな2国間会合を補完している。こうした2国間の協力体制はすべて強化され改善されてきたが、1999年12月のウサマ・ビンラディンの協力者アーメド・レッサムのワシントン州での逮捕と、1998年3月の米軍宿舎コバールタワー爆破に関連したサウジアラビア国籍ハニ・アルサエフのカナダでの逮捕という重要な2件の逮捕の後は、一層の強化・改善がみられた。カナダは、「米加テロリスト阻止計画」(TIP)の下、国務省のビザ警戒リストからテロリストと指定されている、あるいは疑いのある人物を、ほぼ1週間に1人割り出している。

 法執行における米国とカナダの極めて効果的な協力関係は、国民を犯罪から守り、国境を越えて大量に行き来する合法的な人・モノの流れを維持するため不可欠である。両国の法執行機関の間で日常行われる協力は、緊密で継続性を持っている。米国の7つの法執行機関は、オタワやその他の都市に職員を駐在させ、米国の司法長官とカナダの警察長官は、1997年のカナダ首相のワシントン訪問の際に設立された「米加越境犯罪フォーラム」で政策の調整を計っている。(ごく最近の会合は、2002年3月6日、ワシントンで開催された)。その他の協力体制には、「国境監視」や「共有国境合意」として知られる入国管理や税関部門での協力、犯罪者引渡しや国際司法共助に関する条約、米国麻薬取締局とカナダ王立騎馬警察との情報共有に関する合意などがある。

 

メキシコ

 メキシコのフォックス大統領は、9月11日のテロ攻撃後直ちに、支持と哀悼の意をブッシュ大統領に伝え、被災者の捜索を支援する地震対策専門家チームをニューヨークに派遣した。メキシコはまた、米国の軍事行動に対し断固たる支持を示すとともに、米国との結束を表明し集団的安全保障と「リオ条約」の発動を呼びかける米州機構の決議を支持するコンセンサス合意に加わった。さらにメキシコは、米州機構における新たな対テロ条約に向けた交渉で、主導的かつ重要な役割を果たした。

メキシコのビセンテ・フォックス大統領(中央)は、2001年10月4日、ニューヨークのルドルフ・ジュリアーニ市長(左)とジョージ・パタキ知事とともに世界貿易センターの被災地を視察した
メキシコのビセンテ・フォックス大統領(中央)は、2001年10月4日、ニューヨークのルドルフ・ジュリアーニ市長(左)とジョージ・パタキ知事とともに世界貿易センターの被災地を視察した

 安全保障の分野で、メキシコは国境の警備協力を強化する数多くの措置を取ってきた。それらの措置には、50余の国からのビザ申請者に対する審査要件の追加や、国境管理強化や不正行為防止のためのデジタル写真採用のパスポートの導入がある。メキシコの国防省とエネルギー省は、石油やガス施設の警備を強化し、海洋の石油・ガス施設警備のため海軍機動部隊を配備した。さらに、「米・メキシコ国境パートナーシップ行動計画」には国土の安全保障に関する項目が盛り込まれており、それらには、インフラの保護、入国管理業務の共通化、旅行者の事前審査、旅客情報の事前確保、外国人の密入国阻止、ビザ政策の協議、互換性のあるデータベースと電子データによる情報の交換、第三国民の審査、公共・民間部門の協力、輸送中の積荷や鉄道の安全の確保、技術の共有、不正行為の防止、密輸の阻止などが含まれる。

 メキシコは、金融面での措置も取ってきた。メキシコ政府は、国内の法や規制を国連安保理決議に準拠させる措置を取っている。国家銀行委員会は、不審な金融取引を確認し報告してきたし、財務大臣は、確認されているテロリストにつながる銀行口座や現金取引を凍結した。さらにメキシコ政府は、金融の動きに対する監視を強化し、資金の異常な動きに関する情報を交換し、より効果的なマネーロンダリング対策を取るなど、テロリストの資金調達を阻止する新たな措置を講じた。

 カナダと同様、9月11日のハイジャック犯がメキシコ経由で米国に入国したという誤った報道がメキシコでもなされた。

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